やりがい搾取に注意!職種や求人で見極める被害に合わない方法

2000年代後半から、やりがい搾取という言葉が生まれてきました。

新しく生まれた言葉ではありますが、昔からこのような搾取構造は社会に当然のように存在していました。

同時期に過労死等が社会問題となり労働基準法等の法令遵守に対して、世間の目が厳しくなってきた事もあり『やりがい搾取について』考える人も増えてきたでしょう。

この”やりがい搾取”ですが実は明確な基準という物はありません。労働者にとって客観的には搾取構造でも、望んでその労働環境を受け入れていれば現実的に問題にならない事が多いですね。

ただし、“無知”で真面目に働く労働者に対して『夢や、やりがい』を売りにして劣悪な労働環境で就労させる経営者もまだまだ多いです。

もしあなたが『もしかしたら自分はやりがい搾取されているのかも・・・・』と疑問に感じている状況ならば、こちらのページを読む事によって下記の項目を知ることができます。

  • やりがい搾取とは具体的にどのような物、特徴があるのか?
  • やりがい搾取になりやすい仕事や職業について
  • やりがい搾取を受けやすい労働者の特徴

やりがい搾取に対して適切な対処方法が見つかるかもしれません。

やりがいは確かに大事ですが、やりがいを武器に騙されていませんか?一度立ち止まってよく考えてみると良いでしょう。

やりがい搾取とは?ブラック企業との関係性

やりがい搾取を簡単に説明すると『企業側が夢とやりがいを労働者に強いる事により、低賃金で働かせる事』です。

更に企業側としては、夢とやりがいを強いる事で、離職率を少なくし収益構造を万全にするというメリットがあります。

ここまでは、企業側が仕向ける事で労働者側が拒否をすれば、当然ながらやりがい搾取とまでは行きません。

しかし、やりがい搾取が成立する状況として、労働者側が自己実現(夢とやりがい)の為のワーカーホリック(働きすぎ)になってしまうケースが多いのです。

また上記の通り、やりがい搾取はブラック企業下で起こりやすいです。

ブラック企業の定義も難しい点はありますが、下記のような項目があてはまればブラック企業の可能性が高いです。

こんな会社は、やりがい搾取のブラック企業な可能性が高い!

  • 残業を含む長時間労働
  • 低賃金である
  • 残業代込の給与形態、又は残業代無し
  • 長期勤続者も給与アップ昇進無し
  • 有給が取れない
  • 会社が社保に加入してくれない
  • 経営者の精神論が盛ん
  • 社風が宗教的である

どれか1つが当てはまれば即ブラック企業というわけではありませんが、複数の項目が当てはまった場合にはブラック企業である可能性が高いです。

もしご自身でやりがい搾取かもしれないと思うところがあれば、おそらく搾取構造になっていると考えて良いでしょう。

また、ブラック企業下で劣悪な労働環境、例えば低賃金長時間労働等を長く続けていくと、精神が病んできます。

低賃金であるから貯金も出来なく、退職して新しく就職先を見つける心の余裕が無くなっていきます。

段々と思考も停止していくので、やりがい搾取に合いやすい状況を更に作ってしまうのです。

真面目な人は要注意!やりがい搾取をされやすい人の5つのパターン

やりがい搾取は企業側だけの問題ではありません。

実はやりがい搾取を受けやすいタイプの方がいらっしゃいます。以下5タイプを順番に紹介していきます。

1.夢や希望を持った若者

残念ながら、夢や希望を持っている方や若者である事は、やりがい搾取のターゲットにされやすいです。

夢の為なら、多少の労働環境の悪さでも目をつぶろうという方が多いからです。雇用者はその隙を付いていきます。

2.真面目な人でワーカホリックである

真面目で仕事熱心な方は、どこの企業でも欲しがりますね。

特に言われた事をそのまま実行に移せるタイプの方は、やりがい搾取にあいやすいです。

真面目で仕事熱心なのはとても良い事です。ただし、その真面目さに付け込もうという経営者、ビジネスマンも多いのです。

3.就職経験が少ない人

特に新卒や若年層の方、フリーターを長らくやっていて初めての正社員等と就職経験が少ない方は、やりがい搾取に合いやすいです。

就職経験が少ないという事は他の会社がどのような運営、労働環境であるか比較できないからです。

また、せっかくつかんだ就職体験を失敗したくない、簡単に辞めるのは負け犬みたいで嫌だ。という思いを抱きます。

このような状況でブラック企業に間違って入社してしまうと、やりがい搾取に合いやすいです。

4.未経験職種である

こちらも就職経験の有無と似ていますが、未経験職種だと今までの経験が生きて来ない事があります。

『この業界、職種はこんなものなんだ』と勝手に納得してしまうからです。

5.周りの雰囲気に惑わされやすい人

ブラック企業に勤める労働者でありがちなのが、”ブラックな労働環境が当たり前“という事を労働者間で意識の共有をしてしまう事です。

特に周りの雰囲気に惑わされやすいと自覚のある方は、このような職場に入るとやりがい搾取に合いやすいでしょう。

経営者、上司が言い出したら要注意ワード

やりがい搾取が横行している会社で、経営者や上司が言い出しやすい要注意ワードがあります。

代表的な物を以下にまとめてみました。

  • 夢、自己実現
  • 社会奉仕
  • お金よりも”やりがい”

どれも綺麗な言葉です。注意しなくてはいけないのは、この言葉を使用している経営者や上司のいる会社が全てやりがい搾取をしているというわけではありません。

これらのワードを使用していても、労働環境が守られていれば問題ありません。むしろ良い会社ですね。

大事なのは、『これらの言葉を発している会社が上っ面だけではないのか?』という事です。

ブラック企業でこのような言葉を発している場合は、ほぼ間違いなくやりがい搾取と言って良いです。

もしかしたら経営者や上司は、故意にやりがい搾取をしているわけではないかもしれません。

夢や自己実現、やりがい』このようなワードを使わないと従業員の心を抑えておく事ができないと考えての事でしょう。

会社は収益を上げるのが目的です。収益が上がらないからといって、綺麗なワードを使用していくのは、良い会社とは言えないですね。

やりがい搾取をされやすい仕事、職業を7つ紹介

やりがい搾取は全ての業界、業種で起こりうる事です。

ただし、やりがい搾取をされやすい仕事や職業というのも存在しています。

以下で取り上げる職業は、特にやりがい搾取をされやすいので、もし就労を考えているのであれば注意が必要です。

また、現在就労している方がいれば失礼なのは承知ではありますが、一度やりがい搾取について冷静に考察してみるのも良いでしょう。

1.飲食店

飲食店はやりがい搾取の業種として代表格です。確かに利益が出づらい構造になっている為、従業員の多くをアルバイトで雇っているケースが多いです。

アルバイトでの求人自体は止むを得ない事ではありますが、最低時給に近い賃金であったり若い人の求人を募集していたりする点からもわかるように、やりがい搾取が横行しています。

多少の語弊がありますが、飲食店自体は誰でも始める事ができます。

ですから、飲食店の独立の為の経験を積むという名目で働いている人も多いです。このような環境は、やはりやりがい搾取にあいやすいでしょう。

2.名ばかり店長、役職

名ばかり店長や役職で大した権限も持たせてもらえない職場というのもあります。

役職を与える事で、中途半端な事ができない。退職を防ぐという雇用者側の思惑があったりもします。

3.看護師等の医療従事者

医療従事者も、病院にはよりますが、やりがい搾取を受けやすい構造になっています。

決して給料は安くない職種ではありますが、仕事自体が重労働で命を扱うというストレスで割に合わないと考えている方もいますね。

また、聖職者と強要もされており、やりがい搾取とも親和性が高いです。

4.介護師

看護師よりも低賃金であるのが一般的な介護師。こちらは構造上、どうしても賃金が平均よりも低くなってしまいます。しかし、近年の高齢化社会で供給が足りていない状況で人手不足。

職種として聖職者に近い位置付けである為、やりがい搾取にも合いやすいです。

経営者一人だけが儲かっている。そんな施設がありますね。

5.保育士

保育士も低賃金で重労働の代名詞のような職種です。子供が好きで性格の良い真面目な保育士が多い事から、やりがい搾取に合いやすい職種と言えます。

家族経営に近いような形で運営されている園が多いので、お世辞でもプロの経営者と言えるところは少ないです。

6.美容&アパレル関係

美容やアパレルは外から見ると華やかな世界です。

ただし労働環境も劣悪なところが多いので、やりがい搾取になりがちです。

低賃金な会社が多いのも、やりがいだけしか価値を見出せなくなっている点もありますね。

アパレルショップ店員の場合は、店頭で着る服も自分で購入する事になるので低賃金に拍車がかかります。

洋服代を補助してくれる会社は一握りです。

7.舞台や芸能関係の仕事

舞台や芸能関係の仕事は特に駆け出しの時には、”やりがい”だけで成り立っていると言っても良いでしょう。

ただし、これらの仕事は契約にもよりますが、ほとんどの方は個人事業主、もしくは他の仕事と並行してやっていますね。

雇用ではない為、やりがい搾取だ!と強く言える物では無いのかもしれません。

ただし、構造上はやはりやりがい搾取に近い物があります。

ある程度仕事が入り専業で舞台や芸能関係の仕事をしている方でもやりがい搾取に合いやすいです。

舞台や芸能関係の仕事でやりがい搾取を抜けるには、いわゆる”売れる!”しか無いのが現実です。

やりがい搾取で有名企業

 

やりがい搾取は中小企業を中心に行われています。

昨今はコンプライアンスが厳しくなっているので大企業では、ブラックな労働環境は少なくなっています。

ここでは、やりがい搾取を行っている会社として、よく上がってくる有名企業を紹介していきます。

  • ワタミ
  • ディズニー

これらについて解説していきます。

ブラック企業大賞を受賞したワタミ

ワタミはみなさん、ご存知の通り居酒屋チェーンを主とした会社で、創業者が渡邉美樹さん(現、参議院議員)というのが有名ですね。

2012年に第一回ブラック企業大賞に選ばれるほど、ブラック企業として認知されている会社です。

過去に過労死した従業員の家族による訴訟も起こされた事もあります。

一時期ネット上でもブラック企業としてかなり話題になりましたよね。

バイトがブラックなディズニー

ディズニーに関しては、日本のディズニーランドの運営会社である『オリエンタルランド』がブラック企業として有名になっています。

こちらは社員というよりも、キャスト等のアルバイトに対しての労働条件がブラックであると言われています。いわゆるブラックバイトと呼ばれており、やりがい搾取が横行しているのです。

ショーやパレードを外から見ると華やかで夢があるように見えますが、現実は雇い止めや長時間労働とは逆で、雨天になった等で入場者が少ない場合には途中で帰らされ、その分の給料は時給である為、出ないようです。

この為、キャストとして働く方は低賃金が常態化しており生活が出来ない為、一年で半数のキャストの方が入れ替わる大きな要因になっています。

結局は、華やかで夢のある職場に見えるので、実情を知らない人が新たに入ってくるので運営会社としては、低賃金による退職が多くても問題無いと考えているのでしょう。

やりがい搾取に合わない為に気をつける事

ここではやりがい搾取に合わない為にするべき事!について述べていきます。

まずは、やりがい搾取を行っているブラック企業に入社しない為にするべきこと!

また、万が一入社してしまった場合に、その後の対処法について順番に紹介していきます。

求人、就職前に気をつける事

やりがい搾取を行っているブラック企業かどうかを事前に見極める方法は難しいです。

ある程度の有名企業であれば、ネット上に転職の口コミ情報を参考にしてみるのも良いでしょう。

ここでは、ネット上で情報の出てこない中小企業で、やりがい搾取をしそうな企業かどうかを見極める文言について紹介していきます。

以下の4つに注目!

  • やりがい
  • アットホーム
  • 10人以下の従業員

夢とやりがいに関しては前述した通りでそのままです。このようなワードを安易に使用している会社は、気をつけましょう。

アットホームという言葉に関しても、他にアピールする点が無いという事や、アットホームであるからこそ、やりがいアピールをされて退職しづらい雰囲気を作っていく事が往々にしてあります。

また従業員が10人以下の会社も、会社運営の仕組みがしっかりしていないところが多いのでやりがい搾取やブラック企業化しがちです。

就職後に身を守るべき対処法

就職後に、『何か様子が変だ・・・』

このように感じる場合も多いですね。この場合に取るべき行動は、やりがい搾取されそうな雰囲気が嫌であれば、すぐに退職するべきです。

文句を言われようが知った事ではありません。労働者は退職したい日の2週間前に届け出をすれば自由に退職する事ができるのです。

『そこは社会人としてちょっと・・・』

という方は1ヶ月先に退職日を設定するのでも良いでしょう。

残業代や労働環境が労働基準法違反であまりにも酷い場合には、違法行為の証拠となる物を何か用意して労働基準監督署に相談しにいきましょう。

まとめ

やりがい搾取について、ここまで述べていきました。

勘違いして欲しくないのは、やりがい搾取だろうが『本人が納得しているならとりあえずの問題は無い』という事です。

もちろん、本人が洗脳されている場合には問題が無いと言い切れるのか?という考察はあります。

自分で少しでも、『やりがい搾取をされているのではないか?』と疑問に思っている方は、周りに相談してみるのも良いです。

こういう労働問題に関しては、本人よりも周りの人の方が冷静で見られるという場合もあります。

ただし、ある程度年配の方に聞くと、『オレ達の若い頃はもっと酷かったから恵まれている。』という過去を美化した方もいらっしゃいます。

相談の相手も選んだ方が良いのも現実ですね。

また、周りの近い方が、やりがい搾取にあっているのを見かけたら、ストレートに指摘するのではなく、『大丈夫なの?何か辛くなったら相談に乗るよ』と優しく言ってあげるのも、やりがい搾取からの洗脳を解くのに効果的でしょう。