コーヒーの成分として代表的なのが『カフェイン』ですね。
このカフェインですが、みなさんご存知の”眠気がなくなる作用”の他に実はデメリットもあります。
デメリットが起きるには、1日に摂取する量も関係していきます。
健康的にコーヒーを飲み続けるにはカフェインの1日の摂取上限量等押さえておくポイントがいくつかあります!
こちらのページでは、コーヒーに含まれるカフェインについて様々な視点から説明していきます。
カフェインの量は紅茶やエナジードリンクと比べどちらが多いのか?
その気になる答えも掲載。
カフェイン摂取がNGな人向けの項目もありますので、妊娠中の方等で気になる方はチェックしてみて下さい。
記事の目次
コーヒーに含まれるカフェインの効果
ここでは、コーヒーに含まれるカフェインの効果をいくつか紹介していきます。
シャキッと眠気覚ましの覚醒作用
覚醒作用はコーヒーを眠気覚まし等を狙って飲んでいる人も多いくらい、知られている作用です。
カフェインは眠気を覚ましますし、興奮作用もあるので頭がスッキリした感覚になり、やる気も増していきます。
特に頭が副交感神経優位な午前中にはカフェインを摂取する事で交感神経を優位に働かせて、やる気ホルモンである『アドレナリン』の分泌も盛んになります。
頭の回転も早くなり仕事へのやる気と集中力を増す事が出来るでしょう。
脂肪の分解|ダイエット効果
コーヒー等に含まれるカフェインには、脂肪を分解させる『リパーゼ』と呼ばれる酵素の働きを活発化させる作用があります。
より多くの脂肪を分解できれば、ダイエットにつながっていきますね。
カフェインの効くまでと持続時間
カフェインは経口から摂取した場合に、血中の濃度が最大になるのが約30分~45分後です。そこから血中の濃度が徐々に下がっていきますが、おおむね6時間程度は効果が持続します。
長い人であれば8時間程度、効果が持続する事も。
その後、カフェインは代謝されて、尿として排出されていきます。
カフェインのデメリットとは?
利尿作用
利尿作用自体はデメリットではなく、体内で不要になった老廃物を積極的に体外に出してくれる作用もあるので美容に良いと考える事もできます。
ただし、このカフェインによる利尿作用にはデメリットもあります。
まず、カフェインの特性として、
- 鉄分の吸収を阻害
- カルシウムを体外に排出しやすくなる
こちらの2点のカフェインの特性とデメリットがあります。
鉄分の吸収が阻害されると、血液を作りづらくなってしまいますから、特に女性の方は貧血になりがち。
カルシウムも体外に排出されやすくなるということは、骨粗しょう症のリスクが高まります。
ただし、これらのデメリットは長期間にわたって過剰に摂取した場合に起こる”可能性がある”というだけであり、カフェインの上限摂取量を守っていれば通常は起こりません。
眠りが悪くなる
眠りが浅くなるのは、覚醒作用が起きている状態で当然そうなります。
コーヒーに含まれるカフェインは、前述した通り交感神経を刺激しアドレナリンを分泌。
そして、血糖値や血圧、脈拍数まで増加しますので、この状態では眠りに付くのは難しくなります。
また、眠れたとしても途中で起きてしまったり、浅い睡眠を続けてしまったりと次の日が眠くて”ダルイ”状態になることもありますね。
コーヒーを飲むのは、寝る前の6時間を避ける。24時に寝るのであれば夕方前までに済ませておきましょう。
体質によってはカフェインの持続時間が長くなってしまうので、夕方までのコーヒーでも寝付きが悪くなるという方は、午後になったらカフェイン摂取をしないマイルールを設定して様子を見てみましょう。
飲み過ぎはカフェイン中毒になる
最も深刻な状態だと、カフェイン自体が持つ神経毒性によって引き起こされるカフェイン中毒になる可能性があります。
このような深刻なカフェイン中毒で死亡例は少ないですが、まれに報告があります。
軽度なカフェイン中毒としては、
- 焦燥感
- 神経過敏
- 不眠
- 頻尿
- 頻脈
- 顔面
- 顔面紅潮
が挙げられます。これらは1日250mg以上の摂取を継続して続けた場合に起こるとされています。
これはコーヒーを1日6杯以上飲んだ場合に相当する量です。
しかも1日だけ6杯飲んだというわけではなく、継続して摂取した場合に上記のような軽度なカフェイン中毒症状が出てくるというわけですので、それ以下の量の方は特に気にする必要は無いでしょう。
ただし、1日コーヒー1~3杯でも飲み続けていると、カフェインへの耐性が強まるので、カフェインによる覚醒作用が効きづらくなっていきます。
その場合に多くのカフェインを摂取したいと思うようになり、結果的に1日250mgを越えてしまう方もいます。
健康に注意し、なるべく250mg以下の摂取量に抑えておくとカフェイン中毒予防に良いでしょう。
詳しいカフェインの1日の摂取上限量について次の項で詳しく説明していきます。
カフェインの1日の推奨摂取上限量
カフェインの1日の摂取上限量についてですが、実は体格で数値が変わっていきます。
<参考:食品安全委員会|内閣府>
2015年に欧州食品安全機関(EFSA)がカフェインの安全性に対してまとめたデータと意見書なのですが、
まず、カフェインの1回あたりの摂取量が、200mg(体重70kgの成人で約3mg/kg体重に相当)以下では、安全性の懸念は生じない。
対して1日の上限摂取量についても言及しており、『習慣的にカフェインを摂取する量が1日あたり400mg以下(体重70kg想定)であれば問題無い』とされています。
では体重別に1回あたりの摂取量と1日あたりの摂取量の上限の目安を表で見ていきましょう。
体重 |
1回あたりのカフェイン摂取量上限 |
1日あたりのカフェイン摂取量上限 |
40kg |
120mg |
228mg |
60kg |
180mg |
342mg |
80kg |
240mg |
456mg |
<参考:NILLEI STYLE>
このように体重で大きく摂取しても安全とされるカフェイン量が変わっていきますね。
ただし、厳密に言うとカフェイン摂取上限量に関しては個人の体質に影響されます。
この為、一生涯摂取したとしても健康に悪影響が生じないとされる許容量は、日本を始め国際的にも”認定”はされていません。
上記の表はあくまで目安というわけですね。
コーヒーに含まれるカフェイン量をチェック!
コーヒーに含まれるカフェイン量は豆の量や抽出の仕方、銘柄によっても変わっていきますが、
おおむねスタンダードな目安として、100mlあたり約60mgとなっています。
コーヒーとエナジードリンクや紅茶とのカフェイン量を比較
カフェインを含むコーヒーをはじめとした飲料のカフェイン量を比較したデータは下記の通り。
食品名 |
カフェイン濃度 |
備考 |
カフェインを多く添加した清涼飲料水 |
32 ~300 mg/100 mL |
製品によって、カフェイン濃度、 内容量が異なる。 |
インスタントコーヒー (顆粒製品) |
1杯当たり80 mg |
2 g使用した場合 |
コーヒー(浸出液) |
60 mg/100 mL |
浸出法:コーヒー粉末10 g、熱湯150 mL |
紅茶(浸出液) |
30 mg/100 mL |
浸出法:茶5 g、熱湯360 mL、1.5~4 分 |
せん茶(浸出液) |
20 mg/100 mL |
浸出法:茶10 g、90℃430 mL、1 分 |
ほうじ茶(浸出液) |
20 mg/100 mL |
浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分 |
ウーロン茶(浸出液) |
20 mg/100 mL |
浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分 |
玄米茶(浸出液) |
10 mg/100 mL |
浸出法:茶15 g、90℃650 mL、0.5 分 |
<参考:厚生労働省データ>
表の一番上にある『カフェインを多く添加した清涼飲料水』は一般的に言う『エナジードリンク』についてです。
国産のエナジードリンクとコーヒーのカフェイン量を比較!
日本国内で販売されているエナジードリンクは海外製の物に比べカフェインは少なめの傾向があります。
例えば、カフェイン量が多いモンスターエナジーシリーズやレッドブルのカフェイン量を比較してみると下記の表になります。
*モンスターエナジーには、モンスターアブソルートリーゼロ、モンスターカオスを含む。
これらは、内容量とカフェイン量は全く同じです。
商品名 |
内容量 |
1本のカフェイン量 |
100mlあたりのカフェイン量 |
モンスターエナジー |
355ml |
142mg |
40mg |
レッドブル180ml |
180ml |
80mg |
44.4mg |
レッドブル250ml |
250ml |
80mg |
32mg |
上記は現在日本国内で販売されている代表的なエナジードリンクですが、100mlあたりのカフェイン量はコーヒー(60mg)よりも少ないのがわかりますね。
カフェイン摂取をオススメできない人
ここでは、コーヒーに含まれるカフェイン、コーヒー以外のカフェイン飲料を含めてオススメできない人をいくつか挙げていきます。
カフェインアレルギーの方
極まれではありますが、カフェインでアレルギー症状が出るという報告があるそうです。
動悸や鼻水、クシャミなどの呼吸器の症状やじんましん等の皮膚症状が出た場合は、カフェイン摂取を控えましょう。
ただし、極まれではあるので他のアレルギー物質が原因の可能性も高いです。
不安な方は病院での診察を受けると良いでしょう。
慢性的な睡眠不足な方
『毎日3~4時間しか寝てない。』このような方には2種類の人がいますね。
- 寝たくても3~4時間程度で目覚めてしまう。
- 仕事等やる事が多くて睡眠時間が確保できない。
理由は違いますが慢性的な睡眠不足は身体によくないのは自明でしょう。
このような睡眠不足が続いている場合、起きている時間にカフェインを摂取し続けると副作用が起こる危険性が高くなります。
また、起きている時間が長い為にカフェインの摂取量も増えてしまいがちですね。
このように相互に作用し、カフェインによる『めまい』や『心拍数の増加』や消化器官系への悪影響で『下痢』や『嘔吐』等の副作用が起こりやすいです。
短期間であれば特に問題は起こりませんが、慢性的に睡眠時間が短いとカフェインによる弊害が起こりやすいのです。
睡眠時間を確保するか、カフェインの摂取量を減らすか対策を考えましょう。
妊娠中の方
妊婦の方は、カフェインを控えるようによく言われますね。
カフェインにはカルシウム不足になったり、高血圧症になりやすかったりと妊婦に対して副作用の心配があるとされる事から広まった話です。
当然胎児の成長にも関わってくる話ですから心配になる妊婦さんも多いですよね。
ただし、あくまで過剰摂取が問題であって用量を守っていれば特に問題も無いとされています。
<参考:食品安全委員会|内閣府>
前述した通り、習慣的なカフェインの1日の摂取量が400mgとされていますが、妊婦の場合はこれよりも少ない量を推奨しています。
妊婦の習慣的な1日の摂取量は200mg以下とされていて、この範囲内であれば胎児に安全性の懸念は生じないと報告されています。
また、単回用量200mg以下とされているので、一度に200mg程度のカフェインを摂取したとしても、その日に他にカフェインを摂取しなければ問題になりません。
心配な方は、事項で説明するカフェインレスコーヒーを飲みましょう。
カフェインレスコーヒーは授乳中でもOK
カフェインの入っていないコーヒーは、『カフェインレス』『カフェインフリー』『ディカフェ』等とも呼ばれていますね。
ただし、100%カフェインをカット出来るかと言うと現状はソレも難しくて、ある程度のカフェインは入っています。
*日本に基準は無いがヨーロッパでは『ディカフェ』と名乗れるのはコーヒー豆中の0.2%以下、インスタントコーヒーでは0.3%以下である物だけ。
このようにカフェインレスコーヒーには、”ほとんどカフェインは入っていない状態”と言えます。
ですから授乳中であっても、カフェインレスコーヒーは気にせずにたくさん飲む事も可能です。
余談ではありますが、授乳中であってもカフェインが入っているコーヒーも飲む事もできます。
こちらも妊娠中と同じく、習慣的カフェイン摂取量が1日200mg以下、単回摂取量が200mg以下であれば、母乳育児で乳児に対して問題は無いとされています。
特に問題は無いですが、心配な方はカフェインレスコーヒーを飲むと良いでしょう。
まとめ
コーヒーに含まれるカフェインについて説明していきました。
たまに”悪者にされるカフェイン”ではありますが、用量を守っていれば何の問題もありません。
むしろ、毎日の生活に元気が出ますし仕事等の集中力、効率アップにつながっていきます。
一般の方が注意すべき事は飲みすぎない事と夕方を過ぎたらカフェインを摂取しないこと。
この2つを守っていれば快適なコーヒーライフが送れるでしょう。